東京都教委は29日、学校の働き方改革について話し合う有識者会議の第2回会合を開いた。持ち授業時数の軽減に向けて、小学校教科担任制の拡大を検討する方向性が示された。シフト調整や授業の代替も可能とする柔軟な働き方ができる制度設計も進める。
都教委では本年度、計241の小学校で、12学級以上の学校に2人(5・6年に1人、3・4年に1人)、6~11学級の学校では3~6年に1人を教科担任制推進のために加配している。ただ、大規模校では、加配が足りずに同じ学年であっても教科担任制での授業を受けられない状況があるという。
教科担任制は、教科指導の充実や中学校での円滑な接続の他、教員にとっても持ち授業時数の削減などのメリットもある。学校規模によらず、同じ学年の全学級で教科担任制を導入できる環境を整備することを検討するとした。
また都内公立学校では近年、若手の離職者数が増加傾向にある。昨年度の新規採用者のうち、1年以内に退職したのは225人で過去最多。民間の大学新卒者の離職率よりは低いが、人材の確保・定着は喫緊の課題となっている。
民間企業への就職活動では時差出勤やテレワークなどの柔軟な働き方を考慮する人も多い。都教委でも制度として設けているが、学校現場では授業中心の勤務形態のために十分に活用しきれていないという。
今後は少子高齢化もあり、介護をしながら勤務する教員の増加は確実だ。育児や介護なども含めて、さまざまな事情を抱える教員が柔軟に勤務できるよう、授業代替やシフト調整などができる制度が必要だと示した。
また、デジタルや生成AIの活用も議論。学校設置者が区市町村である小・中学校では、校務のデジタル活用についての自治体間格差が大きく、人事異動の度に一から使い方を覚え直す負担もある。異動前の自治体では活用できたシステムも、異動後は使用が認められていないというケースも多い。会合では統合型校務支援システムの共通化を進めていくことを求める声があがった。生成AIについては学習指導だけでなく、校務での活用も推進していく。
有識者会議では、7~8月に都内公立学校の全教員を対象とするアンケートを実施。その結果も踏まえて検討を進め、本年度中にも報告書をまとめる予定だ。